マンションリフォームの基礎知識

マンションリフォームの問題点

マンション(共同住宅)は、一般住宅とちがい、建物を入居者全員が共同で使っています。
したがって、自分の所有している(専有部)の範囲を把握し、改造の出来ない共有部をどれだけ有効に利用してプランするかがマンションのリフォーム時における 最大のポイントと言えるでしょう。
また、工事に際し、騒音や埃、資材の搬入などで他の入居者の方にもご迷惑をかける事となりますので、普段からのコミュニケーションも大切になってきます。 先行してリフォームをしている住戸があれば、率先して情報を入手することはとても好ましいことだと思います。
マンションリフォームにおいて、建築技術はもちろん、周辺環境との調和はとても大切な事です。

重点ポイント
  1. 共用部と専有部の把握
  2. 近隣配慮
  3. 管理規約の遵守

したがって、自分だけの物ではないという部分が存在します。これを共有部といいます。
リフォームを計画するにあたり、共有部の範囲を明確に把握し、トラブルの無い工事をすることは、大変重要になってきます。

リフォーム出来る範囲・出来ない範囲

マンションには、リフォーム出来る部分と出来ない部分があります。
玄関より外部側については、共用部としてわかりやすく認識されていますので、ここでは玄関より内部についてルーフバルコニーまでを、 区分して説明させていただきます。
※印は、リフォーム規約による部分を示す。

出来ない部分(共用部)出来る部分(専有部)
外部 コンクリート躯体部分
アルミサッシ・スチールドア
玄関扉の外部側
面格子
ガラス※
たて樋・ルーフドレイン
吸排気口、ガラリなど
塗装やタイルなど外装材
消防設備や避難設備
玄関扉の内部側
エアコン室外機
給湯器
内部 天井、壁、床などのコンクリート躯体部分
上下階に貫通している設備配管、配線類
構造や防火に関わらないコンクリートブロック壁
間仕切り壁
二重天井部分
二重床部分
住宅設備(キッチン・UB・トイレ・洗面など)
建具類
分電盤
メーターより先の二次側配管類(給水・ガス)
その他出来ない部分以外


マンションリフォーム設計上のポイント

  1. 動かせない物を基準にしてプランニングをする。
  2. 具体的には、窓、玄関ドア、天井に有る梁、給排気口等 これらの正確な位置を測定して設計することが重要です。

  3. 排水勾配を基準にして床の高さが決まる。
  4. 排水の出口の位置や高さは、変更することが出来ません。
    その位置からの水勾配を確保して床の高さが決まります。離れていればいるほど、床を上げなければ行けません。 排水トラブルの主な原因は、水勾配の不足です。

  5. リフォーム規約の調査
  6. 古いマンションにおいて、給排水管における共用部の考えが、管理組合によって違う場合があります。特に天井の裏に隠れている配管については、上階所有者物のこともあるので、その場合当該リフォームに合わせて配管類を入れ替える工事を要望される事があります。 費用の負担や、工事日程の調整など 意外と手間がかかる事ですので早めに確認しておくことが良いでしょう。
    床の遮音性能や作業可能時間・休日作業の可否についても、規約を確認しておく必要があります。

  7. 給排水を動かさない
  8. 水廻り(お風呂、洗面、キッチン、トイレ等)は、自由な場所へ配置する事が出来ます。 しかし、水廻りには、給排水、換気設備が必要となるため、それらの配管スペースを確保しなければなりません。距離も長くなるほど「コスト」が多くかかります。
    場合によっては住居スペースを小さくする必要が発生してしまう事も考えられます。現状をしっかり調査し 配管距離を出来るだけ短くする計画を「コスト」とバランスをとりながら進める事がポイントとなります。

  9. 収納スペースを確保する
  10. 一般的に床面積の10%程度必要と言われておりますが、マンションの場合そこまでの余裕がない事があります。 その場合、置き家具を使って収納するのですが、家具を早いうちに決定して、プランニング時に実際にレイアウトして確認をしておきましょう。 ドアの位置や開き勝手、コンセントの位置など意外と見直す必要があります。
    また、屋根裏やデットスペース(使っていない隙間)を有効に利用して、目標値に近づける事が、整然とした生活を維持する上で大切になってきます。

管理組合

リフォーム工事を行う場合、管理組合規約の規定により「リフォームにかかわる細則」が定められている場合があります。 あらかじめ、禁止事項や、必要な手続きを確認する必要があります。 同時に工事できる戸数を制限したり、工事用車両の駐車スペースを管理している場合もありますので、 連絡を密にとり良好な関係を保つこと大切です。

近隣対策

リフォームに際して あらかじめ計画段階で近隣の住戸に承諾を得ておくことが大切です。 このときに、該当する場合 給排水配管等のリニューアルをするかどうかは、確認しておきましょう。また、病人の有無や行事予定などもリサーチしておきましょう。 また、施工者は、工事中の騒音振動、埃や資材の搬入などで 近隣住戸に迷惑をかけることになりますので、工事着工前にご挨拶に伺います。 工事挨拶については、マンション形態にもよりますが、上階3件、左右各1件、下階3件としています。 入居後にトラブルを発生させないためにもとても必要なことです。